特定技能「建設」受入マニュアル|JAC・CCUS・2号移行を網羅

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日本の建設業界は、全産業の中でも特に深刻な人手不足に直面しています。これに対応するための切り札として期待されているのが在留資格「特定技能」です。しかし、建設分野は他分野に比べて独自のルールが非常に多く、手続きが極めて複雑です。

入管法務専門の行政書士が、建設分野特有の複雑なルールと長期的な人材戦略を詳しく解説します。 単なる労働力確保ではなく、将来の現場リーダーを育てるための実務ガイドとして、本記事をご活用ください。

特定技能「建設」分野の全体像と対象業務

建設分野の特定技能制度は、以前は「型枠施工」や「左官」など多くの職種に分かれていましたが、現在は利便性と現場の柔軟性を高めるため、大きく「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つの業務区分に統合・再編されました。

3つの業務区分と具体的な作業内容

各区分で認められる主な作業内容は以下の通りです。

区分具体的な作業内容(例)
土木型枠工事、鉄筋組立て、とび、コンクリート圧送、ウェルポイント施工、建設機械施工(押土・整地、掘削、締固め)、塗装、溶接など。
建築大工、左官、型枠、鉄筋、とび、石材加工、タイル張り、かわらぶき、内装仕上げ施工、サッシ施工、防水施工、ダクトなど。
ライフライン・設備配管(建築・プラント)、建築板金、冷凍空気調和機器施工、電気通信、ガス、水道、電気等の設置・修理作業。

業務統合の背景

以前の多職種制では、特定技能外国人は指定された一つの作業しか行えませんでした。しかし、実際の建設現場では、土木作業員がコンクリートを打設したり、とび職が簡単な鉄筋作業を行ったりする多能工的な動きが求められます。

この実態に合わせ、3区分への統合により、区分内であれば関連する複数の作業に従事することが可能となりました。

建設業独自の「5大受入要件」を徹底解説

建設分野には、他分野にはない「5大受入要件」が存在します。これらを一つでも欠くと、在留資格の申請自体が受理されない、あるいは不許可となるため注意が必要です。

1. 建設特定技能受入計画の認定

建設分野最大の特徴は、地方出入国在留管理局(入管)へ申請する前に、国土交通大臣による「建設特定技能受入計画」の認定を受ける必要がある点です。

この計画では、日本人と同等額以上の報酬設定、技能習熟に応じた昇給規定、安全衛生教育の実施体制などが厳格に審査されます。認定を受けると「認定証」が交付され、これが入管への申請に必須の添付書類となります。

2. JAC(建設技能人材機構)への加入

受入れ企業(所属機関)は、経済産業大臣の登録を受けた「登録法人」であるJAC(一般社団法人建設技能人材機構)の構成員になるか、JACを構成する建設業者団体に加入しなければなりません。

JACは試験の実施や適正な受入れの監理・指導を担っており、ここに所属していることは、企業の適格性を担保する重要な要件です。

3. CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録

受入れ企業と特定技能外国人の双方が、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録されていることが義務付けられています。

CCUSは、技能者の資格や現場での就業履歴を蓄積する業界共通のプラットフォームです。外国人材の技能レベルを透明化し、適正な処遇を確保することを目的としています。認定申請時に事業者IDと技能者IDの入力が求められます

4. 月給制の義務化

建設業界では古くから日給制が一般的ですが、特定技能外国人に対しては「月給制」での報酬支払いが必須とされています。これは、天候や工事の進捗によって現場が休みになった場合でも、外国人の生活の安定を図るための措置です。

報酬額が日本人と同等以上であることはもちろん、安定的な収入を約束しなければ受入計画の認定は下りません。

5. 派遣の禁止

建設分野の特定技能外国人は、直接雇用のみが認められており、労働者派遣は厳格に禁止されています。 これは重層下請構造が常態化している建設業界において、雇用責任を明確にし、不当なピンハネや中間搾取を防止するためです。

受入れ企業が雇用し、自社の従業員として現場を指揮・監督する必要があります。

現場でどこまでやらせていい?「付随的業務」

主業務(土木・建築等)に付随して、日本人が通常従事する関連業務も可能です。

  • 現場の清掃、資材の搬入、除雪作業、現場写真の撮影補助など。
  • あくまで「主業務のついで」であることが条件です。「一日中清掃だけ」といった使い方は厳禁です。

外国人材の要件と「技能実習」からの移行

外国人が特定技能「建設」を取得するには、主に2つのルートがあります。

  1. 技能測定試験ルート👉建設分野の技能試験と、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)のN4以上に合格すること。
  2. 技能実習2号からの無試験移行ルート👉建設分野の技能実習2号を「良好に修了」した者は、技能・日本語試験ともに免除され、無試験で移行が可能です。

「良好に修了」の定義

「良好に修了」とは、技能実習を2年10か月以上修了し、技能検定3級(専門級)の実技試験に合格していることを指します。もし試験に合格していなくても、実習実施者が作成した「評価調書」によって、技能等の修得が良好であったと認められれば移行が可能です。

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特定技能2号への移行と永住権へのキャリアパス

建設分野は、特定技能の最上位資格である「2号」への移行が積極的に進められている分野です。

2号への移行条件

宿泊施設や現場において、複数の従業員を指導しながら業務に従事した2年以上の実務経験(班長等としての経験)と、高度な技能を測る「2号評価試験」の合格が必要です。

2号の絶大なメリット

  1. 在留期間更新の無制限👉通算5年の上限がある1号と異なり、更新し続けることで事実上の長期雇用が可能です。
  2. 家族帯同の許可👉母国の配偶者や子を呼び寄せ、共に日本で暮らすことができます。

永住権への道

特定技能2号での在留期間は、永住許可申請に必要な「10年間の居住要件」にカウントされます。これにより、優秀な外国人材が日本に定着し、将来の現場監督や幹部候補として活躍する道が開かれます。

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申請手続きのステップと不許可リスクの回避

建設分野の申請は、以下の時系列で行うのが実務上の定石です。(大前提として建設業許可を取得していることが必要です。)

1. JACへの加入・CCUS登録
まず企業側の体制を整えます。
ccusバッジ
2. 建設特定技能受入計画の申請
国土交通省(地方整備局等)へ申請します。審査には通常、一定の期間を要します。
建設特定技能受入計画の申請の画像
3. 在留資格(COE/変更)申請
国交省の認定証受領後、入管へ申請します。
在留資格(COE/変更)申請の画像

よくある不許可・不認定事例

  • 社会保険・労働保険の未加入👉特定技能所属機関は、これらを適切に遵守していなければなりません。
  • 建設業許可の失効👉更新忘れなどで建設業許可を失っていると、そもそも受入れ資格がありません。
  • 日本人と同等以上の報酬ではない👉比較対象となる日本人従業員との賃金差に合理的な説明ができない場合、不認定となります。

就労ビザ共通の審査基準と企業の義務

特定技能独自の要件だけでなく、全ての就労ビザに共通する根幹的な基準もクリアしなければなりません。具体的には以下の通りです。

  • 生計維持能力👉外国人が自立して生活できる報酬が支払われているか。
  • 素行の善良性👉外国人本人に犯罪歴等がないか。
  • 企業の欠格事由への非該当👉過去5年以内に出入国・労働法令違反を犯していないか。

詳細は、別記事【就労ビザ共通】許可・不許可を分ける二大審査基準と企業の義務を必ず併せてご確認ください。共通基準を満たしていない場合、建設分野別の要件をどれだけ完璧に満たしていても、許可は下りません。

まとめと長期的な人材育成の視点

特定技能「建設」は、単なる一時的な人手不足の解消手段ではありません。制度を正しく活用し、1号から2号へとステップアップさせることは、将来の現場を支える「職長級」のリーダー人材を自社で育成することに他なりません。

一方で、JAC加入からCCUS登録、国交省への計画認定、入管申請といった多重構造の手続きは、現場を抱える経営者や人事担当者にとって大きな事務負担となります。これら複雑な法務手続きを専門家に外注することで、企業は本来の目的である「外国人材の育成」「現場の管理」に集中することができます。

適正な受入れは、貴社の信頼を守り、建設業界全体の持続可能な発展に寄与します。

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