特定技能「ビルクリーニング」採用ガイド|受入要件と登録の注意点

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少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少により、清掃業界の人手不足は極めて深刻な状況にあります。特に近年のインバウンド需要の回復は、ホテル等の宿泊施設における客室清掃ニーズを急増させており、建物管理の「質」を維持することが経営上の最優先課題となっています。

このような状況下で、即戦力として期待されているのが在留資格「特定技能」です。しかし、ビルクリーニング分野の受入れには、単なる「清掃員」の確保という枠を超えた、専門的な技能の習得と厳格なコンプライアンス管理が求められます。

本記事では、入管法務専門の行政書士が、建物の資産価値を守るための「質」の確保と、円滑な受入れ実務のポイントを徹底解説します。

ビルクリーニング技能とは何か?「ただの掃除」ではない専門性

特定技能「ビルクリーニング」で認められる業務は、単なる日常的な掃き掃除や拭き掃除ではありません。法的には「建築物内部の清掃」と定義されており、専門的な知識と技術を駆使して、建物の環境衛生を維持する活動を指します。

混同注意!「ビルクリーニング」と「家事代行」の違い

項目特定技能(ビルクリーニング)家事代行・ハウスクリーニング
対象不特定多数が利用する建築物(ホテル、オフィス等)個人の居住スペース(自宅)
法的根拠建築物衛生法に基づく管理特になし(家事使用人としての扱い)
主な技能大型機械、劇物・薬品の使用、公衆衛生管理掃除機、家庭用洗剤による日常清掃

専門技能の具体的な内容

特定技能外国人が試験(ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験)で証明すべき技能には、以下の要素が含まれます。

床材に応じた清掃手法

石材、カーペット、弾性床材など、異なる素材に適した洗剤の選定(希釈倍率の計算含む)や清掃機器の使用方法を理解している必要があります。

機械操作の習熟

家庭用掃除機とは異なる大型ポリッシャー(床磨き機)や、業務用真空掃除機を安全かつ効果的に操作する技能が求められます。

建築物衛生法への適合

本制度の受入れ対象企業は、原則として「建築物清掃業」または「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受けた営業所であることが前提となります。これは、特定技能外国人が従事する業務が、公的な衛生管理基準に基づいたプロの仕事であることを意味しています。

職場環境と安全衛生管理

清掃業務は、病院、オフィスビル、商業施設など、多種多様な場所で行われます。場所に応じたマナーと安全管理は、クレーム防止と事故回避のために不可欠です。

現場に応じたマナーと配慮

  • プライバシーの保護👉ホテル客室やオフィスの専有部では、居住者や利用者の私物に触れない、情報を漏らさないといった厳格なマナー教育が必要です。
  • 作業中の安全確保👉商業施設などでは、歩行者の転倒を防ぐための「清掃中」看板の設置や、周囲の状況確認が徹底されなければなりません。

化学薬品の安全な取り扱い

ビルクリーニングでは、汚れの性質に応じて強アルカリ性や酸性の洗剤、剥離剤など、人体や建材に影響を及ぼし得る薬品を使用します

  • 多言語マニュアルの整備👉誤った洗剤の混合(塩素系と酸性の混合によるガス発生など)を防ぐため、母国語併記の安全データシート(SDS)や作業手順書を備え付けることが推奨されます。
  • 保護具の使用👉薬品から皮膚や目を守るための手袋、ゴーグルの着用など、日本基準の安全衛生教育を実施することが受入れ機関の義務となります。

受入れ企業(所属機関)の固有要件

ビルクリーニング分野で特定技能外国人を受け入れるためには、他分野にはない固有の要件を満たす必要があります。

営業所の登録要件

受入れ機関(または外国人が実際に働く営業所)は、「建築物清掃業」又は「建築物環境衛生総合管理業」の登録を受けていなければなりません。申請時には、これらの登録証の写しを提出し、適切な事業実態があることを証明します。

ビルクリーニング分野特定技能協議会への加入

初めて特定技能外国人を受け入れた日から4か月以内に、厚生労働省が設置する「ビルクリーニング分野特定技能協議会」へ加入しなければなりません。

協議会では、適正な受入れ状況の確認や、外国人材の引き抜き防止、法令遵守の啓発などが行われます。

協議会や厚生労働省が行う調査・指導に対しては、必要な協力を行うことが義務付けられており、これを怠ると受入れ継続が困難になる場合があります。

就労ビザ共通の審査基準と企業の義務

ビルクリーニング分野の要件を満たすだけでは、在留資格の許可は得られません。全ての就労ビザに共通する、極めて厳格な根幹的審査基準のクリアが必須です。

具体的には、「安定的収入(自立した生活が可能な報酬)」「本人の素行の善良性(犯罪歴や税金未納の有無)」「日本人と同等以上の報酬額」、そして何より重要な「企業の欠格事由(過去5年以内の入管・労働法違反等)への非該当」がチェックされます。

これらの詳細については、別記事『【就労ビザ共通】許可・不許可を分ける二大審査基準と企業の義務』を必ず併せてご確認ください。共通基準の不適合は、即座に不許可直結のリスクとなります。

特定技能2号へのキャリアパスと「インスペクター」への登用

ビルクリーニング分野では、より熟練した技能を持つ「特定技能2号」への移行が可能です。これは企業にとって、長期的な戦力確保と現場の高度化を図る絶好のチャンスです。

試験区分特定技能2号移行への要件
技能試験「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」への合格、または技能検定1級の取得が必要です。
実務経験宿泊施設やビル等の現場において、複数の作業員を指導しながら清掃に従事し、現場を管理する「インスペクター(現場責任者)」としての実務経験が2年以上求められます。

絶大なメリット

在留期間の更新制限がなくなり、家族(配偶者・子)を日本に呼び寄せることができます。これにより、離職率を大幅に下げ、安定した経営基盤を築けます。

建物の資産価値を守るプロを育てる

特定技能「ビルクリーニング」制度の活用は、単なる「人手不足の穴埋め」であってはなりません。専門技能を持った外国人材を正しく評価し、1号から2号へとステップアップさせる環境を整えることは、結果として管理する建物の美観と衛生、そして資産価値を中長期的に守ることへと繋がります。

しかし、営業所登録の確認や協議会への報告、1年ごとの年次届出など、法的な実務管理は多岐にわたり、現場の負担は小さくありません。適正な運用を維持し、不許可や受入れ停止といった致命的なリスクを回避するためには、専門家によるサポートを検討することをお勧めします。

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